こんにちは、チクシケンです。
私は47歳で転職することになりました。
40代の転職を考える。
大学院を卒業後、22年5か月働いて来た組織設計事務所を辞め、大手ゼネコンに転職することになりました。
これまで何度も転職を意識することはありましたが、まさか47歳になって転職するとは全く想像していませんでした。組織設計事務所では、すでに自分のチームをもっており、魅力的な会社にするにはどうすべきかを真剣に考えるようになっていました。
では、なぜ転職を考えるようになったのか??
転職の要因として考えらえるのは大きくは次の3点だと思います。実は同じようなことで転職を考えている人は多いようです。
①会社の方針に将来性を感じない。
競合が多い業界で勝負する際は、他の会社との差別化しできるだけ優位なフィールドで仕事をしたい。その差別化は、できるだけ自分の会社の良いところを伸ばすことが重要だと考えていたので、会長、社長をはじめみんなに訴えかけていました。
でも、会社は変わりません!そもそも会社を良くしたいと考える人は多いですが、会社を変えることを望まない人が多いことが見えてきました。特に年齢を積めば積むほど、会社を変えることに慎重になりがちです。さらに、現状の会社の方針で評価されている人は、益々会社を変える必要を感じていません。極端に言うとむしろ変えられたら困る人が多いことを実感することになりました。
つまり、代表権があるか、あるいは誰もが認める圧倒的な実績でもあげない限り、会社を変えること自体無理ゲー。会社の方針と合わないなら、合う会社に転職することの方が社会人としては適切な選択と考えるようになりました。今回転職を考える切っ掛けとなった一番大きな点です。
②待遇や評価に不満がある。
待遇(給料)は、転職の大きな要因ではないです。決して大満足ということはないですが、それ程重要と思っていませんでした。一方、評価には不満がありました。自分と同じ世代や少し下の世代の人達と自分の給料を比較した時になぜか評価が低い??それが私の評価と言ってしまえばそれまでですが、明らかにおかしいと気づき上司に相談した際、「気づかなかった。来年からは見直す。」のひとこと。
えっそれで終わり??モチベ⤵は必至ですよね。残念。
③人間関係にストレスがある。
いろいろと書いてきましたが、これもまた転職の大きな要因ではないです。それほど不満もありませんでした。22年以上も務めた会社ですから、それなりの人間関係もできていますし、困ったときに相談できる人、また頼ってくれる人もいました。でも、それはどの会社でもできることだと感じました。
強いて言えば、モチベーションの低い社員には不満を感じることがありました。
しかも、学生時代には全く手が届かないと思っていた最大手のゼネコンです。建築業界以外の方にはわかりにくにくいと思いますので、建築設計者の大まかな働き場所を分類すると以下の通りです。
- アトリエ 個人あるいは少人数の建築家を中心とした建築のユニットです。有名な人でいうと新国立競技場を設計した隈研吾建築都市設計事務所があります。建築への想いが強い人が選択する就職場所であり、最終的に独立の道を目指します。ただし、一般的には高い給料を目指せない場合が多いです。
- 組織設計事務所 基本的には設計のみを行う会社で、施工は行いません。アトリエの規模が大きくなり、構造・設備・見積・工事監理など、一貫して施主に寄り添い、施主に代わって要望を建築化し、施工者に伝えることが主な役割です。
- ゼネコン 業務のメインはアトリエや組織設計事務所が設計した図面をもとに建設工事の請負ですが、スーパーゼネコンなど一部のゼネコンは内部に設計チームを持っています。なかにはアトリエや組織設計にも負けず劣らずな優秀な設計者を抱えているゼネコンも存在します。加えて財力があるゼネコンでは、内部に様々な専門性を持つ人材を抱え、独自の研究を進めたり、外部の優秀な人材とコラボレーションを行い、設計者に恵まれた環境をつくることができます。まさに求めればいろんな経験や環境を望むことができます。
- ハウスメーカー プレハブにより工業化されたビジネスモデルから、意識の高い建築学生や設計士からは敬遠されがちだと思います。私自身、比較的給料の良いハウスメーカーを志望する学生が増えたと聞いて残念に思ったことがあります。ただ、一品生産でつくる建築は、効率化しにくく、またエラーが生じやすいのは事実です。建築をビジネスと捉え、量産したければシステム化するのは常套手段。商学部出身の妻とは、ハウスメーカーがつくる住宅をボロカスにいうのに反論され、新婚時代はよく口喧嘩をしました。ただ忘れてはいけないのは、ビジネスよりのハウスメーカーは、一般の人に圧倒的に知名度が高いです。そのため、信頼感、安心感が高いのは事実です。デザインはできるかもしれないけど、世間から全く認知のない建築家よりよっぽど安心なのはうなづけますよね。つぶれる心配も少ないと思いますし。お金持ちの人達も、あまり個性を求めない人はハウスメーカーを選びます。さすがにそこはハウスメーカーも一点モノのデザインを行うようです。もし、そういう設計ができるのであれば、ハウスメーカーも悪くないですね。特にみんなが知っている有名人や会社の社長宅を設計していることも多いようです。なぜか長くなってしまった・・・。
- 続いてデベロッパー 事業の上流をつくる仕事と言えます。事業自体や土地の斡旋を行います。基本的にはお金儲け中心に回っている印象があり、私はやっぱり好きになれません。そいう人達と仕事をする時は本当に建築の価値を軽視されている気がして嫌な気持ちになります。現在、某財閥系のデベロッパーと仕事をしていますが、一時よりはましにはなった気がします。そして何よりも建築の価値を伝えて行く必要があると感じます。
- CM,PM 最近のはやりの業態と言えるかもしれません。私の同僚も一時何人もその業態に転職して行きました。私自身は設計者がその役割を兼任すべきと思う方なので否定的ですが、自分の設計能力に限界を感じた時にはそういう道もありかなと思います。
以上、大きく考えられる業態を述べて来ましたが、そんな中で私がなぜスーパーゼネコンに転職をしたかというと、それはたった一つで、超優秀な人達と一緒に仕事をしたいと思ったためです。
入社してみて感じたことは、やはりみんな意識が高く、歳には関係なく優秀な人が多いです。そして色んな特殊なクライアントに会えるなど色んな経験ができます。その上、給料は設計者としてはかなり高いです。現に、私が以前勤めていた会社より1.5倍近く上がり、前職での役員クラスの給料はもらえています。やはり稼ぐ力をブーストすることは必要ですので、この転職は私自身ラッキーと思っています。今の時代、長時間労働を強いることはNGですよね。そんなに働かなくても高い給料がもらえる会社はラッキーですし、空いた時間で好きなことができます。もちろん仲間を増やすか活動や副業もしやすくなるので、今まで以上に生きやすくなる予感しかしないですね。
ということで皆さん、今の時代転職に年齢はあまり関係ないと感じています。ぜひ、もし感じることがあれば、ご連絡くださいね。お待ちしております。
コメント