病院の設計監理で体験した珍事件

ケンチク思い出話

皆さんこんにちは。ケンです。

20年以上に渡り建築の設計をしているといろんな出来事があります。私がある田舎町で自分で設計した病院の設計監理をしていた際に、本当にあったエピソードのひとつをお話ししてみたいと思います。

設計監理とは、ざっくりというと設計図通りにきちんと施工されているか監理する業務です。初めての現場監理が4万㎡を超える病院でした。わかる人にはその大変さがわかってもらえると思いますが・・・。前置きはそんな感じで。

エピソード 現場事務所に知らないおじさんが現れる!!

日中はゼネコンと打ち合わせに追われ、施工図を自分でチェックするため、病院の敷地内にある現場事務所で日々夜中まで残業をしていました。

現場事務所はプレハブ小屋で施工者の部屋と設計事務所の部屋など分かれていて、退出は私が最後になることが多く、照明を消して仮設で作られて簡易な扉を閉めて帰っていました。

いつものように残業していたら、夜の9時くらいに入口の扉が開く音がしました。設計事務所の部屋には日中は度々施工者が質問に訪れて来ます。こんな時間に誰だろうと思いながら、間仕切り越しに誰か尋ねてみても返答がありません。

不信に思い、席を立って入口の方をのぞいて見ると、全く知らない40代~50代のおじさんが立っています。服装を見るとパジャマなので、隣にある病院の入院患者だとわかりました。ただ、どう話掛けても返答がなく、少し薄ら笑いの表情のまま、部屋の中に入って来ようとしています。

何か用事ですか?

・・・・・・。

なんか身の危険を感じたものの困ったことに、私達の部屋の入口は1つしかありません。そんな時人は一瞬で色んなことを考えるものですね。実際に以下のことを考えました。

①相手に戦って勝てそうか?

②急に接近して来られた時に逃げるルートはあるか?

③助けを求めることは可能か?

相手より自分の方がだいぶ若かったし、体格もそれほど大きくなかったので直感的に勝てそうだと踏みました。ただ、どのタイミングで攻撃に出る!?急に近寄られたら机に上がり、間仕切りに仕切られた隣のブースにまずは逃げよう!多分現場事務所には誰もいないので、ここは自分で何とかするしかない!!など覚悟を決め、一発触発の状況がしばらく続きました・・・・

と次の瞬間、その日に限り遅くまで残っていた施工者の若いスタッフが現れ、その得体の知れないパジャマのおじさんを制し、出て行くように話をしてくれています。普段は頼りないこのスタッフがこの日ばかりは本当に輝いて見えましたね。その後、その方を二人で病院に連れて行くと、行方不明で探されていた身内の方に出会い一件落着。ふらっと病院を脱走された方だったようです。

医療や老健施設に従事されている方からすると、あるあるかも知れませんが、私には相当インパクトのある体験でした。

以上、最後まで読んで下さってありがとうございました!

 

 

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